



黒沢の聖観音堂
六月二十七日
羽州街道に沿うて家並が続く南山形の黒沢。
山形から上山へ向かう街道は、明治に早坂の新道が開鑿されるまで、此処から二軒茶屋の松原神明社、みはらしの丘へとひと息に登って行った。
物々しく長い黒板塀は、嘗ての大庄屋の屋敷。自動車優先社会の混雑は西に東にバイパスへ譲り、旧街道の往来は程々の静けさ。
村の始まりは須川の東岸だった様で、街道の整備に伴って村ごと移り、番所が設けられた隣の松原村と共に宿駅を担ったと云う
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その松原番所跡の信号交差点から南へ一丁ほど。屋敷と屋敷の間、街道に面して小さな御堂がある。
創建は不詳。屋敷神だったのかも知れないが、資料に拠れば現在は隣家が管理している。
扉を開くと格子を設けた祭壇の内に厨子が祀られてあった。本尊は聖観世音の坐像だとか。
狭い境内に並ぶ石像は文政の馬頭碑と、如意輪尊の様な観音像、その隣の奇石は道祖神らしい。
境内の入り口に半ば埋もれながらも、太鼓橋風の石橋が残されている
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■渡辺信三『南山形郷土史探訪』1989年
■渡辺信三『黒沢村の歴史』2002年
■渡辺信三『黒沢村の歴史』2002年
2025-06-29
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TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
