




足元はよろよろと
五月十五日 龍山
林道終点の登山口でカモシカが下りてきたが、やや友好的な挨拶をしたら、すんなり道を譲ってくれた。
コヌカ原に1本ばかり咲き遅れた桜が満開。森は新緑の始まり、若葉の彩もこれから強くなる。
八日は慈覚大師堂の御祭礼。地元の人々が御堂の掃除や草刈りを行う。麓の土坂には幟も立つ。
御前に折り紙の供え物があった。後聞に拠れば祭礼の朝には既に置かれていたと云う。
此処は今なお祈りの山。往き交う行者の姿こそ絶えたとしても
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天狗岩に立てども風は無し。遠望は霞み、残雪の白い影のみ宙に浮かんで月山と分かる。
柿の種ひと粒、掌から零れ落ちて奈落の底へ消えて行ってしまった。
急坂を駆け上がる猩々袴の花は、間もなくヘラハギの峠を登り切るのだろう。
古ぼけた雪塊が融けるを忘れて横たわる。片足だけ踏んでみても岩のように硬い。
姥神みちの田虫葉は、山頂近くも終わりかけていた。
二本杖で猛然と登ってくる人と擦れ違うと、微かに聞き覚えのある鳥の声
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2025-05-25
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TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
