若瀬観音堂
若瀬観音堂
五月九日
蔵王半郷の松尾山観音から更に上ってゆくと、大鳥居をくぐる辺りで蔵王上野うわのに入る。 蔵王温泉まで続く県道は、集落を避けて旧道をほとんど辿らないが、気にしない。 右折は小倉の案内標識を見たら、交差点を右に曲がった所が上野の若瀬地区。 火の見櫓の傍に駐め、旧道を少し下る。少し下っただけなのに、御堂が高台に見えてくる。 参道の入り口には大きな石碑が二つ。名号碑は宝暦十一年、天照皇大神と金毘羅さん連名の方は明治の建立 . . .
資料に拠れば、若瀬観音の始まりは寛政五年。当初から地蔵庵、今の地蔵寺が別当を勤める。 嘉永年間に現在の御堂が建てられた。境内の西は畑地が開け、大朝日岳まで見通せる。 当地に庚申森の呼称あり、大銀杏の下に危うげな均衡で立つ庚申塔には、安永九年の字を刻す。 堂内に余物無く、御本尊の厨子の両脇に幾つかの菩薩が控える。 堀田十三体観世音の第十一番、たのみおけ むじょうの風のふきくれば わかせとしよりさそわぬはなし . . .
■山形郷土史研究協議会『研究資料集 第三号』1980年
■前田熊夫『蔵王地区郷土史』1981年
■山形市蔵王桜田土地区画整理組合記念誌編集委員会『下桜田の歴史』1987年
■上野地区生涯学習推進委員会『上野のあゆみ』1989年
■半郷町内会『半郷物語(二)』2014年

2025-05-19

TOM
ぽんとけりゃにゃんとなくよーいよい
@rondino2106